いやあ、コロナでリモートワークになったおかげで、昼飯でパスタを作る機会が激増。おかげでパスタがめっちゃ上手になったというわけで…。
料理する機会が増えると、それに見合った道具が欲しくなるわけで、思わず買ってしまいました、このアルミフライパン。
アルミフライパンは買ったほうがいいのか?
さてさて。そんなアルミフライパンだけども、実際これって買ったほうが得なのか否か。料理好きで、ポスタもまあまあ作る俺だけど、アルミフライパンは実は大変長らく買うのを控えていた代物。もちろん、控えていたのにはちゃんと理由があるわけです。
正直に申し上げると、家庭にアルミフライパンは全然、必要ない。まったくもって必要ない。なぜなら、他のフライパンで十分代用できるからである。
フライパンの代表格といえば、テフロン、鉄、アルミの3つだけども、鉄にはテフロンではできない重要な役割を持っている。
それは火力。
テフロンは高火力にすると、コーティングが剥がれてテフロンの意味がなくなるという最大の弱点がある。高火力によって美味しくなる料理ってけっこうたくさんあって、チャーハンしかり、麻婆豆腐しかり、野菜炒めしかり。
そこらへんの話は、また鉄のフライパン編でゆっくりと語るとして、テフロンと鉄のフライパンは家でもかなり重要な役割を果たすのだ。
アルミフライパンは熱しやすく冷めやすい
一方、アルミのフライパンというと…。こいつの特徴は、鉄と比べると熱伝導率が高くて、蓄熱性が低い。言い換えると、熱するとすぐ熱くなるけど、冷めるのも早いという特徴がある。
食材というのは、フライパンに投入する際の状態は、当然アツアツではない。肉にせよ野菜にせよ冷蔵庫から取り出して使うわけだから、なんならちょっと冷たい。
こいつをフライパンに投入するとどうなるかというと、フライパンの温度が急激に下がってしまうわけだ。しかし、蓄熱性が高い鉄のフライパンはその温度の下降が最小限に抑えられ、肉のメイラード反応の促進や野菜の水分を逃さずシャキシャキに仕上げるという仕事をやってのけるわけだ。
だけど、蓄熱性の低いアルミフライパンは、食材を投入した際に温度が下がりやすいので、これらの恩恵を受けにくいフライパンだというわけだ。
なんかこういうと、まったくいいところがないフライパンのように聞こえるけど、じゃあなんでイタリアンとかでアルミフライパンが多用されるのか。それにはちゃんと理由があるのだ。
アルミの良さは軽さと色
鉄のフライパンに比べて、アルミの最大の良さはその軽さと銀色に輝く色にあるのだ。そもそもパスタ、とりわけペペロンチーノに代表されるにんにくとオリーブオイルをベースにしたパスタにおいては、火力はまったく必要ない。
弱火でじっくりとにんにくの香りと旨味をオリーブオイルに移し(辛いの好きなら唐辛子の辛味も一緒に移すわけだが)、あとは茹で上がったパスタと絡めるというのがフライパンに期待する役割、それがイタリアンだ。
イタリアンではそんなフライパンの使い方を一日になんども何度も繰り返す。当然、重いフライパンだと手が疲れてしまう。そこでアルミフライパンの出番である。なんといっても軽い。疲れにくい。
そして、にんにくの旨味がオイルに移り、そこにアツアツの塩水を混ぜ合わせて乳化させる(正確には乳化ではないらしいが)。それがソースになるわけだけど、その色味が銀色のフライパンだと物凄くわかりやすい。
この2点こそが、パスタにはアルミフライパンが最適だとされる理由なのである。
でもさ。考えても見てよ、家庭でそんな1日何度もフライパンを振るという行為をするわけがないのだから、アルミの軽さの利点というのは、あくまでお店だけの話。色が見やすいのも、そこまで大きな問題ではないので、家庭ではアルミフライパンは必須ではないということなんですよ。
アルミフライパン、すべては自己満足
そんな理由で、しばらくアルミフライパンには手を出してこなかった俺だけど、じゃあ、なんでまた今更になって買ってしまったのか。
それはただの自己満足です、ありがとうございます。
やっぱね、単純に見た目がいいじゃん。なんか料理してる男って感じじゃん。それ以外の理由は、俺としても声を大にして皆様にお伝えしたい気持ちは順分にあるのだけど、残念ながらないのである。
でも、そんなもんですよ。買い物なんて。
フェラーリやランボルギーニ、ポルシェとか高い高級車。めっちゃスピード出るけど、そんなスピード活かすシーンなんて日本にはないわけで。それでも買ってしまうのは本人の自己満足であり、見えであり、見栄えだ。こういうと聞こえは悪いけども、料理も誰かに美味しいものを食べてほしいという欲望と同時に、俺はこんなおしゃれな道具を使っているんだぞという見栄でもあり、かっこいい調理器具を持っているという自己所有欲であり、そういうことも人生には大切なことなんだなと思うわけです。
なんで、欲しいと思ったら買ったらいいよ。安いやつなんてどうせ2000円くらいだからね。自分が楽しくて、気分的に美味しく感じるならそれでよし。味だけじゃない、五感全てで感じるのが料理なのだよ!